【ものづくりストーリー】file.03│オーガニックコットンの日本製ベビー服ブランド「育児工房」(Ikuji-Kobo)
「世界を幸せにする、最初の一着」

この、とびきり柔らかな布地を使って、赤ちゃんが本当に「きもちいい」と感じる一着を作りたい。
子供服店を営む女性のそんな一途な思いから生まれた、ベビー服ブランド「育児工房」。
吊天竺や知多木綿ガーゼなどの上質な素材を惜しみなく使い、日本国内の高い縫製技術を生かして作られるベビー服は、どこまでも優しい肌触り。口コミでの広がりが、その品質のよさを裏付けています。
育児工房のものづくりに込められた、子どもを育てる哲学をご紹介します。
呉服店から、子供服の専門店へ

育児工房を展開するのは、愛知県に拠点をもつ「オオサカヤ」。社名の由来は創業者が、繊維の問屋が集まる大阪・船場で修行を積んだことにさかのぼります。
子供服の取り扱いを本格的に始めたのは、二代目で現会長の瀧本喜美代さん。布おむつに動物の捺染を施したオリジナルの商品を販売したところ、品質の良さと愛らしさが支持されて、やがて、子供服の専門店へと転換する運びとなりました。
子どもたちのためにできることを

1970年代、関西発の子供服ブランドが市場の中心を占めていた時代、東海エリアではまだ珍しかった東京ブランドの子供服をいち早く取り入れたオオサカヤ。その"目利き"ぶりは業界内でも有名で、「瀧本さんが選んだ商品を教えてほしい」と、他店からメーカーへ問い合わせが入ることもあったといいます。
ただ商品を販売するだけでなく、「子どもたちのために何ができるか」を常に考えてきた喜美代さん。
自身も子育てをする母親であり、モンテッソーリ教育に深い関心を寄せていました。子どもが自ら動き、感じられる環境を大切にし、当時としては先駆的だった店内の遊び場づくりにも取り組んでいたそうです。
そんな歩みの中で生まれたのが、「自分たちが本当に届けたい一着をつくりたい」という思いでした。
究極の素材「吊天竺」との出会い

「育児工房」の肌着は、「吊天竺(つりてんじく)」という、希少な素材との出会いから生まれました。
喜美代さんは生地屋で偶然、吊天竺に触れた瞬間、「この柔らかな生地で赤ちゃんの肌着を作ったら、どれほど気持ちいいだろう!」と感じたといいます。
吊天竺は、高級Tシャツにも使われる希少な編み機でゆっくり編み立てるため、空気をたっぷり含んだ柔らかさと、さらりとした質感、優しい伸縮性が特徴です。空気の層をまとうことで、夏は涼しく、冬はふんわりと温かい、快適な着心地が感じられます。
糸の使用量が抑えられているため、洗濯後の乾きが早いことも特長のひとつ。ベビー肌着によく使われるフライス素材より乾きが早く、忙しい育児をサポートしてくれます。
吊天竺を編むのにかかる時間は、一般的な高速編み機の15~20倍。現在、この製法を守り続けているのは和歌山県のわずか3社のみです。




「高価な吊天竺でベビー服を作るなんて、もったいない!」と驚く声もありましたが、喜美代さんは「赤ちゃんにこそ、着心地のよい素材が大切」という信念のもと、生地メーカーと二人三脚で、オリジナル素材の開発に取り組みました。
試行錯誤を重ね、1998年、自社ブランド「育児工房」が誕生。
ブランド名には、子どもを育む想いとともに、"小さな工房のように、手間を惜しまず良いものをつくる"という、クラフトマンシップ(職人魂)が込められています。
「赤ちゃんの1gは、大人の20g」

「赤ちゃんの1gは、大人の20g」──これは、育児工房が大切にしている言葉です。赤ちゃんの出生時体重は約3kg。大人の体重が60kgだとすると、およそ20分の1です。つまり、大人にとってはわずかな重さの違いでも、赤ちゃんにとっては大きな負担になり得るということです。
育児工房の中肌着は、約36g。一般的には50gほどの製品が多い中、この軽さへのこだわりが、赤ちゃんの快適さにつながっています。

軽さを実現する鍵は、素材のオーガニックコットンにあります。
農薬や化学肥料の使用を抑えた有機農法でゆっくりと時間をかけて栽培したオーガニックコットンは、繊維の中心部分が通常の綿より大きく、マカロニのような空洞になっています。この空洞部分に空気が含まれることで、ただ薄いだけでなく、ふんわりと軽く、保温性や調湿性に優れた生地になるのです。
素材づくりも縫製も、ゆっくりと丁寧に

綿花を育てるところから縫製まで、育児工房のものづくりを貫くキーワードは、「ゆっくりと、丁寧に」。
柔らかくて伸縮性のある素材は、縫製にも時間がかかります。縫い始めから縫い終わりまで、職人たちが集中力を切らすことなく、一定のペースで縫い上げます。

うさぎや恐竜をモチーフにしたラトルは、関東にある家族経営の工場で作られています。
どうぶつの顔やからだは、小さなパーツをいくつも縫い合わせた立体構造。目や鼻は刺繍でつけるため、よく見ると、ほんの少しずつ表情が違います。
そんな一点ものの温もりも、育児工房らしさのひとつです。
「ママを楽にする」工夫から生まれたアイテムたち
■ お腹もお尻も包み込む『中肌着』

中肌着は、「短肌着とコンビ肌着を重ね着する」という育児の「当たり前」に疑問を持ったことから生まれた、一枚完結型の肌着です。前面の重なりを広くとってあるので、重ね着をしなくても、冷えやすいお腹周りをしっかりとカバーしてくれます。
ボタンの数も最小限なので、「着替えと洗濯の手間が半分になった」「おむつ替えも楽で手放せない」といった喜びの声が多く届いています。
股下にスナップがなく、伸びのよい吊天竺を使用しているので、生まれてすぐから1歳頃まで着用することができます。
■ お着替えラクラク、『2wayコンビ肌着』

2wayコンビ肌着は、股下にスナップがついた長めの肌着。スナップの開け閉めによって、中肌着としてもコンビ肌着としても使えます。
動きが小さい新生児の間は、股のボタンを留めずに使えば、おむつ替えがスムーズに。ボタンを留めれば、股が分かれて抱っこがしやすくなります。足をバタバタしてもはだけにくいので、活動的な赤ちゃんにもぴったりです。

暖かい季節ならこれ一枚で過ごせて、冬はドレスやベストを重ねて、長く使えるアイテムです。
■スナップボタン(特許技術採用)

肌着の胸や股のスナップボタンには、小さな持ち手が付いています。これは、育児工房が特許を取得した簡単スナップ。力いらずでパッと外せて、一日に何度もボタンを開け閉めするパパやママの、指先への負担を軽減します。
持ち手が付いていることで、小さいボタンでも見つけやすく、手の大きな方でもつまみやすいというメリットも。おむつ替えや着替えが、楽になると好評です。
知多半島の伝統と、育っていく柔らかさ
■ 知多木綿のガーゼアイテム

沐浴布、おくるみ、お昼寝の肌掛け、おむつ替え用の敷物など、多用途に活躍するガーゼ素材。
育児工房のガーゼアイテムは、10年以上使っている方から「ボロボロになっても捨てたくない」と言っていただけるほど、暮らしに寄り添い、愛される存在です。

沐浴布やハンカチに使われているのは、愛知県・知多半島で織られる「知多木綿ガーゼ」です。国内有数の綿織物産地であるこの地域で、育児工房のためだけに、独自仕様の生地が作られています。
生地には名古屋の老舗工場による「和晒し(わざらし)」加工が施されます。綿花に含まれる油分を時間をかけてじっくり取り除くことで、高い吸水性と、使い込むほどに柔らかく育っていく風合いが生まれます。
洗濯しても素早く乾くため、頻繁に洗濯が必要な赤ちゃんの身の回りのケアに最適。常に手元に置いておきたいアイテムです。
気持ちよさを、赤ちゃんに届けたい


育児工房のベビー服は、どれもシンプルなデザインですが、赤ちゃんの小さな顔や体に合うよう、縁取りを通常より細くするなど、細やかな設計がされています。
服そのものの見映えより、赤ちゃん自身の心地よさや可愛らしさを重視したデザインは、ぜひおすすめしたいポイントのひとつ。
一見しただけでは分からない確かな良さを伝えるため、育児工房では、販売店舗とのつながりをとても大切にしています。

この日、アミングを訪れたのは、育児工房で営業とデザインを担当する黒田歩美さん(写真右)。アミング商品バイヤーの西江由希乃とともに、新商品のデザインや縫製工場の状況、お客様の反応などについて、和やかに情報交換が行われました。
実は黒田さんご自身も、育児工房に勤める前から、育児工房のベビー服の愛用者だったそう。
「子どもが生まれたとき、オーガニックコットンのベビー服を探していて、偶然出会ったのが育児工房の肌着でした。我が家にはいただきもののベビー服もたくさんあったのですが、“赤ちゃんにはこれを着せたい”と思って購入した一枚です。その肌着に包まれた子どもを抱っこしたときの心地よさを、今でもよく覚えています」
そう語る黒田さんの言葉からは、作り手であると同時に、一人の親としての実感が伝わってきます。

育児工房の商品は、アミングのスタッフにとっても、お客様に自信を持っておすすめできる大切な存在。自身の子育てで愛用していたスタッフも多く、ベビー服選びに悩むお客様の相談に、親身にお答えしています。
お客様から届いたうれしい声を、いくつかご紹介させていただきます。
生まれてくる赤ちゃんと、慣れない育児に奮闘するママやパパのために。
育児工房のものづくりには、家族の新しい毎日を静かに応援する、ゆるぎない優しさが息づいているようです。

育児工房の肌着は、私自身も子どもを育てる際に愛用していました。引き出しにいろいろなブランドの肌着がある中で、育児工房の素材は他のものよりあたたかく感じられ、、ふわっとした肌触り。冷たい肌着が赤ちゃんの肌に直接あたると驚いてしまうので、いつも手にとるのは、育児工房の肌着でした。やわらかい素材なのに耐久性が高く、3人目の子どもまで着回すことができました。
アミングの店頭では、肌着を中心にビブ、ラトル、ガーゼケットなど、赤ちゃんの暮らしに欠かせないアイテムを幅広くご紹介しています。出産祝いに最適なギフトセットも、多数ご用意しています。ぜひ店頭でお手に取って、柔らかさや気持ちのよさを体感してみてください。
関連商品
◎ 肌着を変えただけで赤ちゃんが夜中に夜泣きをせずに、ぐっすり眠ってくれるようになりました!
◎ 繊細に見えるのに、とても丈夫で驚いています。1人目から3人目まで、柔らかな肌触りのまま着まわすことができました。
◎ 中肌着は赤ちゃんが動いてもはだけにくく、お腹が出にくいのがうれしいです。2way肌着は1枚で着られるので着替えがとても楽。どちらも手放せないアイテムです。
※お客様個人の感想であり、感じ方には個人差があります