『心を磨く学校 自分を輝かせたいすべての人たちへ』
著者/西江 あきよ(株式会社アミング 代表取締役社長)
発売日/2024年5月24日
発行所/ディスカヴァー・トゥエンティワン
体裁/200ページ
発売日/2024年5月24日
発行所/ディスカヴァー・トゥエンティワン
体裁/200ページ
販売終了
¥1,430(税込)

毎日を過ごす中で、誰かと比べて自信をなくしたり、ふと「このままでいいのかな」と迷ったりすることがあります。そんなときは、自分を少し変えてみるチャンスなのかもしれません。興味のあることを始めてみたり、習慣を少し変えてみたり。小さな挑戦を重ねることで、毎日の見え方が少しずつ変わっていきます。今回は西江オーナーに、「今を大切に生きる」ためのヒントを伺いました。

─書籍の「今を大切に生きる」という章の中で、「とりえ」や生きがいを持つというお話がとても印象に残りました。「とりえ」や生きがいを見つけるためのヒントを教えてください。
最初から「これが私のとりえです」と言えるものを持っている人って、そんなにいないのではないでしょうか。アミングのスタッフもそうですし、私も最初はそうでした。
でも、私はお店を始めた頃からラッピングが大好きで、もっときれいに包みたい、お客様に喜んでいただきたいと思って、ずっと練習を続けてきました。本で調べたり、いろんなお店のやり方を見に行ったりして、仕事が終わった後も、何度も何度もやってみる。そうやって勉強し続けてきたことで、少しずつ「とりえ」と言えるものになってきたのだと思います。
─書籍にも、「自分より上手な人から習い、学び続けること」が大切だと書かれていますね。
私は、誰かのまねをすることが恥ずかしいことだとは思いません。むしろ、上手な人のまねをすることが、何かを学ぶときの基本だと思っています。子どもが、お母さんのまねをして言葉を覚えていくのと同じことですね。
いいと思ったら、素直にまねをしてみる。その人がどうやっているのか、よく見る。そうやって、少しでも近づこうと試行錯誤しているうちに、少しずつ自分らしい形ができてくるのだと思います。
だから、今「とりえがない」と思っている人だって、焦らなくていいと思います。ちょっと興味があることや、もっと上手になりたいと思うことがあれば、まずはやってみてください。一日やったからといって、すぐに「とりえ」になるわけではありません。でも、続けているうちにどんどん楽しくなって、気付けば上達している。そんなふうに、「とりえ」は少しずつ育っていくのだと思います。

ちなみに、私がもう一つの特技であるアーティフィシャルフラワーを習い始めたのは、50代になってからでした。誰にだって、今から始められるすてきなことが、たくさんあると思います。

─誰かと比べてしまったり、周りから評価されなくて落ち込んでしまうときは、どうしたらよいのでしょうか。
人間はみんな、褒められたいし、認めてもらいたいし、大切にされていると感じたいものだと思います。私だって同じです。
でも、私は以前、自分に問いかけたことがあるんです。
「あなたは、褒められないとがんばれないの?」って。
褒めてもらったからがんばる、認めてもらいたいからがんばる。それも悪いことではないと思います。でも、いつも誰かが見ていて、褒めてくれるわけではないですよね。
─では、西江オーナーのがんばる力や、続ける力は、どこから生まれてくるのでしょうか。
それは、誰かを喜ばせたいという気持ちからです。
自分にできることが増えて、それによって目の前のお客様が喜んでくれたら、とってもうれしいでしょう。その喜びが、もっとがんばろうという力になるのです。
私はお店のスタッフに、「売ろうとしなくていい。お客様を最高に喜ばせて」と言っています。「あなたはどんなことでお客様を喜ばせられるの? そのために、どんなことを勉強しているの?」と問いかけます。
誰かに褒めてもらうことだけではなく、自分の力で誰かを喜ばせることにこそ、がんばる喜びはあるのだと思います。

これは、仕事だけではなく、毎日の暮らしの中でも同じだと思います。
家族に「おいしい」と言ってもらえたこと。誰かにかけた言葉で、その人が笑顔になってくれたこと。ほんの小さなことでも、誰かが喜んでくれると、自分までうれしくなりますよね。
だから、誰かと比べて落ち込んだり、認めてもらえなくて寂しくなったりしたときは、「私はどう見られているんだろう」と考えるより、「今日、私は誰を喜ばせられるかな」と考えてみる。
そうすると、不思議と気持ちが少し前を向くことがあります。
誰かに褒めてもらうと、もちろんうれしい。でもそれだけではなく、自分から誰かを喜ばせる。その喜びも、私たちががんばる力になるのだと思います。

─書籍には「変われる人が生き残る」という言葉もありますね。
世の中が変われば、お客様が求めるものも、お店で働く人たちの考え方も変わります。そこに合わせて、自分たちも変わっていかないといけません。
「私はこうだから」「今までこうだったから」と決めつけてしまわずに、新しいことに興味を持って、いいと思ったらやってみる。そういう柔軟さは、常に持っていたいと思っています。
─最近、変えてみたことや、新しく取り入れたことはありますか。
シール帳が大ブームになる少し前に、アミングでも、それまで扱っていなかったシールやシール帳の取扱いを始めました。
最初にスタッフから「シール帳を入れますか」と聞かれたときは、アミングのお客様にはあまり合わないと思って、一度は断ったんです。でも、その日の夜、孫に「シール帳って知ってる?」と聞いてみたら、シール交換を楽しんでいるSNSの動画を見せてくれて、「これは楽しそう!」って思ったんです。すぐにスタッフに連絡し、次の日にはもう、仕入れに向けて動いていました。
実際にお店に並べてみると、親子で楽しそうに選んでくださるお客様や、お孫さんのためにご来店されるお客様がたくさんいて、とても喜んでいただけました。

最初に「違う」と思ったことでも、よく知ってみると見え方が変わることがあります。まずやってみて、うまくいかなければ、そこからまた学べばいい。それも新しい発見であって、失敗ではないと思うんです。
ただ、どれだけ時代が変わっても、変わらないものがあります。それは、アミングの理念です。何を大切にするのか。その軸がしっかりあるからこそ、やり方がどんどん変化しても、アミングらしくいられるのだと思います。

─最後に、第4章のタイトルでもある「今を大切に生きる」という言葉に込められた思いを教えてください。
毎日って、特別にいいことがたくさんあるわけではありません。でも、小さな「よかった」なら、日々の中にたくさんあると思うんです。昨日より少し上手にできた、新しいことに挑戦できた、誰かが「ありがとう」と言ってくれた。そんな小さな「よかった」に幸せを感じて、自分のがんばりを認めてあげる。その積み重ねが、少しずつなりたい自分をつくっていくのだと思います。
毎日の中にある小さな「よかった」に目を向けながら、今日という一日を大切に過ごしていけたらいいですね。